国鉄では1950年より80系湘南電車によって実現した「電車による長距離運転」をさらに推進し、1958年に新性能電車モハ90系を基に優等列車への投入も視野に入れたモハ91系(のちの153系)を登場させました。
準急「東海」としてデビューしたモハ91系は「東海形」と呼ばれ、主に東海道・山陽本線を中心として広く親しまれました。
モハ91系の2等車として設計されたのがサロ95で、回転クロスシートが970mmピッチで15列設置されました。
座席に合わせて狭幅の2段窓が多数並んだ姿で、のちの113系グリーン車に基本設計が踏襲されています。
1958年度中に2両試作されたのがサロ95900番代で、防蝕や塗装の省力化の試験用として国鉄では初めてスキンステンレス車体で製造されました。
1960年には形式称号改正に伴ってサロ153-900番代となったほか、等級表示も2等から1等に変更されるなどの小変化が生じました。
基本的にはステンレス無塗装仕上で、窓下の細帯や各種車体表記は青15号、屋根上は灰色に塗られた特徴ある姿で、準急「東海」や準急「ながら」など、153系以外にも159系などと混結して臨時優等列車で活躍する姿が見られました。